カタルシス効果
カタルシスとは、もともとギリシャ語で「浄化」を意味する言葉になります。
古代ギリシャの哲学者のアリストテレスが著書『詩学』中の悲劇論に、「悲劇が観客の心に怖れと憐れみの感情を呼び起こすことで精神を浄化する効果」として書き著して以降使われるようになりました。
ただ、アリストテレス自身は演劇学用語として使っていたようです。
現代でも、演劇や映画、漫画、小説などの批評の際には、この表現が使われています。
心理学では、不安や緊張の原因となっている欲求や感情や衝動を、
言語や行為を通じて解放させることをあらわします。
カタルシスによって浄化され、症状が消失する事をカタルシス効果といいます。
カタルシス効果とは、私たちの心の中にある、不安、心配事、不快な感情、悲しさ、いらいら、つらさなどを解放して「浄化」することで、気持ちを軽くする現象のことです。
精神科医のジークムント・フロイトがこの語を採用したことから、カタルシスは代償行為によって得られる満足を指す心理学用語としても用いられるようになりました。
フロイトは、ヒステリー治療において催眠療法と「悲惨な話を聞いて泣く行為」を併用し、
その除反応を「カタルシス」と呼び、フロイトの精神分析療法の治療機序の一つとなりました。
以降、精神医学界では一般に精神療法用語として定着しています。
今日では種々の心理療法において技法が工夫されています。
自律訓練法や遊戯療法、芸術療法などにおいては、カタルシス的な緊張発散による治療効果が認められています。
投稿日: 2021年2月1日 | カテゴリー: 心理学用語